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料理への哲学、その延長線上にある空間を。

tawaraは金沢市の繁華街から少し離れたマンションの1階テナントスペースを改修したフランス料理店です。

「料理人の作業場のような空間」「テーブルクロスは使用せず、洋食器にもこだわらない」「お店のために和洋新旧を問わない器や古道具、北欧家具を集めている」など非常に具体的な話から始まった本計画。

従来のオーセンティックなフランス料理店のしつらえを一旦忘れ、飾り気や装飾的な要素を排除する事で、空間を構成している要素が持つ本来の姿をありのままに扱う事を念頭に置き設計を進めました。

まず手始めに行った事は、賃貸として出されていた状態の天井や壁などの内装材を全て撤去し、既存のコンクリート柱・梁・壁・天井や配管などの設備にいたるまで、隠されていたものを露わにする事でした。

その後は、それらを新しい壁や天井で隠すのではなく、それぞれの経年した表情をあえて正直に見せるような最終仕上げにしています。

北欧家具、古道具からディスプレイ用の美術品、ステンレス製の厨房機器に至るまで、優劣なく隣り合わせる事により、食材や器・酒などそれぞれの魅力を新たな組み合わせで提案されるtawaraのセンスやスタイルを、テーブルの上だけではなく店舗空間自体で体現できるような許容力のある状態を目指しました。一見ストイックに感じられますが、有機的な関係性のある空間になっていると思います。

(担当:深尾純平)

店舗外観

店内。ライヴ感あるカウンター席とテーブル席

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シェフが料理する姿を対面で見られるコの字カウンター

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窓の外には土壁の景色が

 

プロジェクト名:tawara
用途:フランス料理店
床面積:52.19㎡
完成時期:2012年11月
所在地:石川県金沢市片町

(photo:UNIT.DESIGN)

2016.11.30

# WORKS