HATCHi kanazawa/元仏壇センター
エリアの磁力と、昭和の中古ビルの魅力。
このホテルは、昭和41年築の中古ビルをコンバージョン・リノベーションして再生されたシェア型複合ホテルだ。E.N.N.では、空きビルの仲介と1階の飲食店a.k.a./HUM&Go#のデザインを担当させていただいた。
対象物件は、藩政期より昭和中期まで金沢の商業の中心地として栄えた地域で、E.N.N.ではこのエリアの再生に注力して積極的に町家の仲介や再生を進めてきていた。
株式会社リビタから、金沢で地域と交流するような新しいコンセプトのホテルにコンバート可能な物件の相談を受け、いくつかの候補の中から選ばれた建物だ。
元は仏壇仏具店だが、天井の高い地下には廃墟化した飲食店群が昭和の雰囲気を残していたり、産業遺跡の様なスケール感の階段室があったりと、ロケーションだけでなく、空間的にも魅力のある建物だった。
宿泊者が金沢や北陸のローカルなカルチャーをシェアするというホテルのコンセプトを実現するために、E.N.N.自らが飲食店の運営主体となり、2年前に閉店していた飲食店a.k.a.をHATCHiの一階で再生することになった。
(担当:小津)
元々は仏壇センターだった、ポテンシャル物件。
以前は仏壇屋さんだったビル。そして実は、地下はかつて飲食店街だった。
HATCHiを運営する株式会社リビタから、金沢でのホテル物件探しの依頼をうけたのが事のはじまり。当時流通していた物件情報にはグッとくるものがなく、市内の空きビルもリサーチし始める。
そこで目に留まったのが、仏壇センタービル。建物自体の大きさ、地下の元飲食街だった空間も条件的に合っていた。
当時は新幹線開通の2年ほど前。尾張町~橋場町は、金沢でもあまり人の往来がないエリアだったが、近江町と東山との位置関係、もともとは金沢一の商家が集まる商店街だったという歴史もある。
きっとここにホテルができることが、尾張町界隈が再び賑やかになるきっかけになるとも確信していた。
「仏壇センター」という当時の現状の姿から、周囲の理解を得ることは容易ではなかったが、確かなビジョンを信じて実現にこぎつけた案件だった。
(不動産担当:奥)
プロジェクト名:HATCHi kanazawa
用途:シェア型複合ホテル
所在地:金沢市橋場町
完成時期:2016年3月
業務内容:不動産仲介