酒屋彌三郎

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1階テーブル席。

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2階席の様子。

 

物件のウィークポイントから生まれた、新旧対比のメリハリある空間。

金沢R不動産の掲載物件で契約いただいた借り主や買い主から、リノベーション依頼の事例も多いが、この「酒屋彌三郎」もその一つ。

金沢市内中心部にありながら、繁華街の喧噪から少し外れた隠れ家的な町家は「quiet町家」と命名されてR不動産で紹介していた。

この町家は、空き家期間が長くあった。と言うのも、比較的状態の良い部屋もあれば、土壁が崩れ落ちている部屋もあったりと、その難易度の高さから、なかなか借り主のみつからない住宅物件だったからだ。

しかし、独立開業を目指して、東京の飲食店修行からUターンしてきた店主は、この物件の立地と建物を気に入り、和食店としてリノベーションすることになった。

リノベーションにあたっては、既存建物の状態と機能性やデザイン性との調停のような設計作業が必要だが、この建物は部屋ごとの激しい状態の差が、むしろデザインの方向性を決める要因となったといえる。

壁や柱の大幅な改修が必要な部分は、柱の隠れるモダンな大壁による空間として、さらに加重を減らすためにも床を抜いて吹抜空間とした。一方で状態の良い和室は真壁のまま柱や土壁を再利用してある。

これらの建物との相談によって、新旧対比のメリハリのある飲食空間となり、それが店主のつくる料理と相乗効果をもたらせてくれた事例になった。

(記事担当:小津)

改装前の様子

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2016.09.02

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