はじまるまえのしずかなとき/serif_s
「南陽堂」の文脈を受け継いで。
金沢市尾張町の名物古書店として知られた「南陽堂書店」。70年余の歴史に幕が降りて、しばらく空き家になっていたところ、賃貸募集することになった。
印象的だったのが長年書店スペースとして使われていたミセノマ部分。旧制四高時代から学生や識者、文化人が足しげく訪れ、ときには論争も展開されていたという空間には、今なお濃密な空気感があった。
古い分痛みも激しく、内見者多数だが、申込が入らない状況が続く。
「それでもこの物件を活用したい!」と、東京のデザイン事務所「セイタロウデザイン」さんが手を挙げてくださり、現在はタイポグラフィ専門の書店&ギャラリー「serif_s」になっている。
もと古書店だった場が、「タイポグラフィ=文字」を扱う書店として生まれ変わる—。
土地の持つ時間や文脈まで受け継いでもらえた、嬉しい案件だった。
(担当:奥)
活版印刷のワークショップなども開催されるそう。
改修前の様子
【サイト掲載当時の記事】
2016.08.22