浅野川のマンション

80年代リバーサイドマンションのミニマルリノベ解

窓からは浅野川中の橋、卯辰山と金沢らしい眺望がそこにある。

視線も浅野川上流へと抜け、とても開放的なお部屋をリノベーションしたのは、奥様が金沢市出身、現在はスイス在住のご家族だ。
スイスでもレマン湖を望むアパートにお住まいで、水辺空間がお好きだとか。
日本にいる間の拠点の住まいとしてマンションを購入された。
使えるものは出来るだけ再利用したいというご意向もあり、フルリノベーションというよりは必要最低限の改修でイメージを刷新することを目標とした。

 

主に手を加えた場所はキッチン、洗面、リビング。

まずはキッチン。まだキッチンが料理のための作業室であった1980年代は、クローズドキッチンが主。このマンションも言わすもがな、クローズドキッチンだ。今回改修にあたり、キッチンを対面式へという案もあったが、既存の配管やレンジフードのダクトをそのまま使えるよう、壁面式のままとし、その代わりにクローズドだった空間をセミオープンになるよう開口を設けた。
壁を全て取り払ってしまうと、収納に困るため、腰より下を収納とした。買い物から帰宅した際の、一時荷物置きにも利用できる。ただこの開口部からリビングダイニングを全て見渡せるかというと、壁式コンクリート構造のため、構造上重要な壁が立ちはだかり一部の開口部からしか見えない。見渡す限りスッキリとしたLDK空間が主の今なんとなく不自由そうにも感じるが、見えるようで見えないが気配は感じる空間は奥行きがあって面白いのではないかとも思う。
またキッチン単体の費用を抑えるべく、今回は扉や水栓、ガステーブルの取り替えのみとしたが、扉の仕上げを変えるだけでイメージはかなり変わった。

洗面は新しく造作で設置。
和室は畳を撤去、フローリング貼りとし、リビングダイニング空間を広げた。
既存のレトロな照明や、欄間を再利用、通風が取れるクローゼットドアは重宝するため塗装をし直した。

1980年代のスタンダードな間取りから、当時の良いものは残しつつも現代のライフスタイルに合わせたミニマルかつ現実的なリノベーションとなった。

 

 

(担当:田代 彩子)

用途  :専用住宅(共同住宅内における)
所在地 :石川県金沢市
構造規模:RC造
占有面積:82.75㎡
工事種別:リノベーション
完成時期:2021年4月
業務内容:設計・監理

 

改修前の様子

 

2021.07.09